通常の売買契約は、当事者同士による「売った」「買った」の合意により成立しますが、
不動産の売買においては、少し事情が異なってきます。
例えば、次の例を考えてみます。
売主=「A」さん 買主=「B」さん
不動産という高額な財産の売買にあたり、それぞれ、次のように考えています。
「A」さんの考え |
売買代金を受け取るまでは
権利証(登記をB名義にするのに必要です)を手放したくない…
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「B」さんの考え |
登記を自分名義にするまでは、売買代金を払いたくない… |
それぞれの主張を満たす事が同時にできれば良いのですが、
実際、それは手続上不可能です。
このままでは、いくら待っていても取引は完了できません。
どうすれば、取引を進める事ができるでしょうか。 |
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そこで、両者にとって中立の立場である司法書士が、取引に立会う必要が生じるわけです。
具体的には、司法書士は取引の場において、
売主から「権利証」等を預かり、また他契約上確認すべき点を併せて確認し、
確実に登記を買主名義にする事ができるかどうかを判断します。
司法書士が、その職責をもって「問題なし」との判断ができれば、
買主は売主に代金を支払う事ができます。
こうして取引は無事に完了します。
現実の取引においては、
売主に融資していた銀行や、買主に融資する銀行がいたりと、
上記例よりも、利害関係が複雑である事が一般的です。
司法書士は、これら売買取引を安全かつ円滑に進める役割を担っています。
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